Re:石井紘基特集

2012年8月11日
Re:石井紘基特集
>  営業収入は、その内五社分だけで二〇〇〇億円、公団からの天下り役員は、 子会社全体で一〇〇人を超えていた。これらの中に、確かに日本総合住生活 (株)があった。社長の有賀氏は建設省から公団、そして、この会社と“渡り 鳥”してきた人だ。帝国データバンクで調べてみたら、売上げは一六〇〇億円 で、住宅関連サービス部門では、全国七一〇〇社中第二位。これらの事実を知 ったとき、私は暗い大きな洞窟を発見した思いがした。  次にとった行動は、公団に対してすべての修繕事業の契約先一覧を要求する ことだった。公団はこれに対し、「膨大な作業なのでデータを揃えるには数カ 月かかる」という。  私はやむなく「それでは東京支社と、関東支社の五〇〇〇万円以上の契約の み、一年分」として集計してもらった。これが出てくるまで約一ヵ月待った。  それを見てまた驚いた。東京支社分でいうと年間一〇〇件程度の発注契約の うち、なんと、その七割が日本総合住生活(株)に与えられていたのだ。その 他の契約もほとんどファミリー企業へ行っている。関西支社では、八割を日本 総合住生活(株)が占めていることが、後にわかった。私は、この実態を国会 でとりあげ、新開も報道した。平成六年一〇月二六日だった。それまではよい ことしか語られず、もてはやされてきた特殊法人の実態が国会ではじめて追及 されたのである。その後、私は、他の九一の特殊法人(現在は七七)について も片っ端からそれらの子会社、孫会社、天下り、放漫経営などを調べあげた。 公益法人も調査した。  規模の大小はあるが、各省庁ごとに権益となって、全国ネット、同族会社な ど民間の大企業と同じような系列形態になっていることがわかってきたのであ る。これには、また、国会議員の利権の縄張りもからんでいることが政治資金 関係の調査でわかった。この姿は、間違いなく「政策」と「金」と「法」によ って確立された日本国のシステムなのである。  この国は、法そのものが正義を失い、舵取りの利かない状態に陥っている。 「人のものを取ってはいけない」「公のものを私してはいけない」という基本 法の錠が各省庁所管の法律によって「人のものは自分のもの」「公のものは私 のもの」となっているのである。  法が法を犯すとき、国は末期を迎え、やがて亡(ほろ)んでしまう。今こ そ、権益に組み込まれていない圧倒的多数の国民の手によって、既存の体制を 覆し、国民のための新しい体制を作らなければならない。これは革命である。  私が本書を著したのは二一世紀日本の市場経済革命に捧げるためである。  本書に著した私の主張は、私の八年半の国会議員活動の「決算」でもある。 本書において、私は、私自身の調査に基づいた事実と、その検証に立った判断 と主張を述べた。私は、これらのすべてに自信を持ち、責任をとる。

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