原初には、淡水を司る神アプスー、その妻にして塩水の女神ティアマト、生命力を司る霧の精ムンムのみが存在した。アプスーとティアマトの交わりから数多くの神が生まれ、神々同士のそれからも次々と子孫が増えた。やがて群れた神々のやかましさに耐えかねたアプスーはムンムと謀り、子孫の殺害を計画する。この企みを知った知恵の神エアは、先手を打ってアプスーを殺し、ムンムを幽閉した。
ティアマトは自分の子たちを殺すのは忍びず、沈黙を守った。
 その後エアは、4つの目と耳をそなえたマルドゥクという息子を得た。力強き光の神マルドゥクは父エアに授かった4つの旋風で遊び、仇をなしたため、神々は母神であるティアマトに「マルドゥクを成敗してほしい」と訴えた。しぶしぶながらその願いを聞き入れたティアマトは、マルドゥクに対抗するため、11種類もの怪物を生み出す。そして最高神の証たる”天命の書版”を第二の夫としたキングに持たせ、この怪物軍団の指揮を委ねたのだった。
ティアマトが戦いの準備をしていることを知ったエア側の神々は、マルドゥクを総司令官とすることに決する。マルドゥクは、勝利の暁には自分を神々の王として認めることを条件に、戦いに臨んだ。
 挑発されたティアマトがマルドゥクを一呑みしようと大口を開くと、マルドゥクはそこに突風を送りこんで動きを止める。続けざま引き絞った矢を射て、ティアマトの心臓を突き破ったのだった。
 ティアマトの死に恐れをなした怪物たちは、マルドゥクの網によってみな捕らえられてしまう。マルドゥクはキングから”天命の書版”を奪い、みずからの刻印を押すと、胸にかけた。こうして名実共に、最高神の座を手中に収めたのである。
 マルドゥクはティアマトの体をふたつに裂き、そのひとつから天を創造した。もうひとつを大地とすると、流れ出た血は水となった。キングを殺し、その体から血を抜いて人間を創造し、神々に奉仕させた。また神々を天上と冥界に配置し、その神殿を造営する。
 神々が築いたマルドゥクの神殿における戦勝祝いの大宴会では、至高神マルドゥクの偉大さと神聖さが、盛大に讃えられたのだった。

イザナギイザナミも似たような神話ですね…

コメント

霧木里守≒畑楽希有(はたら句きあり)
2013年12月17日11:40

イザナギイザナミはヒルコ神を流した程度ですから穏和しいもんじゃないですか?(^^;)

北欧神話には負けますゼッタイw

霧木里守≒畑楽希有(はたら句きあり)
2013年12月17日11:42

エジプトもけっこうすごかったきがする。

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